iBookStore 日本語版をオープン!〜未来の読書のかたち〜

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5日、Appleが iBookStore の最新バージョンを公開し、日本向けの電子書籍販売を開始した。

iBooks App
カテゴリ: ブック
価格: 無料

「iBookstore」は、世界51か国で提供されている電子書籍の配信サービス。日本国内では、3月4日以前もサービスそのものの利用はできたが、配信される電子書籍が洋書しかなかった。

iBookstore 日本語版のオープンに合わせ、作家・村上龍氏の電子コンテンツの新レーベルとして『村上龍電子本製作所』が始動。

村上氏は日本でiPadが発売された際に、音楽をつけた電子書籍「歌うクジラ」(アプリ版)を個人で配信して話題になった。電子書籍に以前から前向きだった村上氏は、このように言っている。

(以下、村上龍電子本製作所公式ウェブサイトより)

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2010年2月、故スティーブ・ジョブズ氏が、「iPad」という画期的なデバイスのプレゼンテーションを行った。 その映像を見たとき、わたしはちょうど『歌うクジラ』という長編小説を脱稿したばかりで、稲妻に打たれたような衝撃を味わった。 「このiPadで君の新しい小説を発表したら?」ジョブズ氏がそう言っているような気がしたのだ。

それ以来、わたしは、リッチコンテンツ化した『歌うクジラ』を製作し、単行本に先行して販売するという作業と交渉に没頭した。 版元の講談社は、野間省伸社長(当時は副社長)が電子書籍に深い理解があり、電子書籍化と先行発売を快諾していただいた。 坂本龍一に音楽を依頼し、篠原潤がCGとアニメーションを担当し、2010年夏、電子版『歌うクジラ』は完成した。

電子版『歌うクジラ』 の製作は、心躍るものだった。 これまでの紙本とは違う、まったく新しい表現領域に足を踏み入れたのだと思った。その思いは、今も変わっていない。

村上龍電子本製作所は、テキストの自律性を損なうことなく、映像、画像、音楽などを組み合わせた「リッチコンテンツ」の可能性に挑戦し続ける。 その表現領域は広大で、開拓ははじまったばかりであり、まったく違うジャンルとして、確立されるべきだと思っている。

村上龍

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村上氏本人が「電子版では著者の強い要望によりメール文のビジュアル表現を極限まで追求しています」と解説している『心はあなたのもとに』。紙媒体には無いオリジナルで、携帯やパソコンの電子メールの画面が使用され、作中のメールのやり取りによりリアリティーを持たせている。

また「ジョジョの奇妙な冒険」など一部の漫画はカラー版も用意されている。これからどんどん人気漫画のカラー版が用意されリバイバルヒットするだろう。他にも音声付きの絵本など、これまでの紙の書籍では出来なかったデジタルならではの価値が付加されているものも多い。ibookstoreは、読者だけでなく、著者側にも未来の読書のかたちとして影響を与えることになるだろう。